技術より先に“問い”を立てる力
IoTで新規事業を始めたい。その意欲は素晴らしい一方で、多くのプロジェクトが「作ったけど売れない」「PoCで止まる」という壁に直面します。
なぜか?――それは“技術の前に問いを立てる”作業が不十分なまま走り出しているからです。
以下の10の問いは、IoTビジネスを企画するうえで最初に自分自身に投げかけるべきチェックリストです。
事業企画の基礎に立ち返る10の問い
- 誰のどんな困りごとを解決したいのか?
課題は本当に深刻で、今も存在しているか?
- IoTを使う“必然性”があるのか?
単に「ネットにつなぐこと」が目的になっていないか?
- つながった先で、どんな価値を生むのか?
遠隔操作、可視化、予測――行動を変える要素はあるか?
- データは誰が見て、何に使うのか?
「取ったはいいけど使われない」構造になっていないか?
- ユーザーはそれを“継続して”使いたくなるか?
UXや通知、日常との接点は設計されているか?
- 導入のハードルが高すぎないか?
設定が複雑、設置に専門業者が必要などの障壁は?
- そのプロダクトは、毎日触れるものか?
頻度の低い利用でも意味がある設計か?
- 設置、設定はどうするか?
誰が取り付ける?誰がセットアップする?エンドユーザー?取説は?
- “最初の10社”にどう届けるか、仮説があるか?
ベータテスト、業界団体、既存の人脈をどう使うか?
- お金の回り方が見えているか?
どこで収益を上げ、どこにコストがかかるか?
これらの問いにすべてYESで答えられなくても構いません。
重要なのは、スタート時点で問いの存在に気づいていること。問いを立てる力が、IoT事業の成功率を大きく左右します。