― 「呼ばれてから行く」から「壊れる前に対応する」現場へ ―
「最近、クレーム電話が本当に減ったんです」
そう語るのは、都内で複数の飲食店設備を管理する保守スタッフのHさん。
かつては、「冷蔵庫が冷えない」「空調が止まっている」といった突発対応が日常茶飯事だったといいます。
そんな現場を変えたのが、IoTによる設備の状態監視でした。
導入されたのは、冷蔵庫・空調・給湯器など主要設備に温度・電流・稼働時間などを記録するセンサーデバイス。
このデータがクラウドに送信され、異常傾向があればリアルタイムでアラートが届く仕組みです。
空調メーカー大手の上位機種は結構、これ、入ってます。

Hさんはこう語ります。
「今までは“起きてから対応”だったのが、“起きそうだから先に動く”に変わりました。
現場に行ったら“まだ壊れてないのに来てくれたの?”って驚かれることもあります。」
実際、あるチェーン店舗では月に5件以上あったクレームが、1件未満に減少。
さらに、緊急対応の削減により、残業も減り、予防整備に時間をかけられるようになったといいます。
もう一つの効果は、エビデンスの蓄積です。
「温度が3時間上がりっぱなしだった」「電流が普段より高い」など、
感覚ではなくデータで設備の状態を語れるようになり、店舗側との信頼関係も向上しました。
「IoTって難しそう」と思われがちですが、現場ではむしろ「わかりやすく、助かる仕組み」として歓迎されています。
設備保守の現場が、“クレーム対応部隊”から“価値を守るプロチーム”に変わる第一歩は、
意外とシンプルなIoTの導入かもしれません。